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ティファニー(ブルー)で朝食を - 8 (The Sunrise Cafe) [散歩・散走]

この街には地平線や水平線は存在しない。それをそう呼んでいいなら、鉄骨に強アルカリ性の接着剤で繋ぎ合わせた砂や砂利を塗りつけた建造物群が水面や大地に変わって空を支える。そんな箱庭めいた街を彼は好きだという。箱庭の外側、ビルや高架橋の向こうは何もない、虚無な空間。郊外は、彼にとってはニヒルなものでしか過ぎない。そこには僅かな揺らぎや揺蕩いはあっても、劇的な、秒単位の目紛しい変化が認められない。それはあまりに退屈、彼はそう考える。彼が「オレの庭」と呼ぶこの街だけが、彼にとってアブソリュートな空間。
そんな街に秋の朝が訪れた。

 

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