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響縁 -アジア・オセアニアの音の旅- [音楽のこと]

午後はぐっと趣きを変えて、炎天下のスタンプラリー・ポタリングから、アカデミックな(?)コンサート。


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“人間の音楽行動について科学的に研究している研究者の集団”、日本音楽知覚認知学会が主催する「APSCOM2017 第6回アジア・太平洋音楽認知科学協会国際大会(The 6th Conference of the Asia-Pacific Society for the Cognitive Sciences of Music)」の一環として開催される市民開放企画で、『響縁 -アジア・オセアニアの音の旅-』と題されたレクチャア・コンサート。
25日(金)と27日(日)の両日、お昼間は各会場で、研究発表などの公演が行われていたようですが、小難しいことはよう分からしまへんどすえ。
夕暮れ迫る午後5時からは、 “研究と音楽のさかいめを超える”コンサートがプログラムされて、金曜日はジャズと箏曲に声楽を加えたコラボレーション、日曜日はインドネシアのジャワ・ガムランに日本の雅楽とオーストラリア先住民アボリジニの伝統楽器ディジュリドゥを交えたエスニック・フュージョン。
そのジャワ・ガムランを担当するのが、大阪大学を拠点に活躍されているDharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)で、彼らが主催・運営するガムラン・ワークショップ「日曜ガムラン」にワタシも通うご縁からお招き頂いた次第。

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会場は学校法人京都女子学園が運営する京都女子大学付設の京都幼稚園文中ホール。開場が16:30、開演が17:00。
幼稚園内の小さなホールは、小さなステージに向かって、前半分がフロアに筵を敷いたファーストクラスな桟敷席(?)で、後ろ半分は階段状にベンチが並び、ワタシはその階段席最前列の予約席を勧められて、そこを占める。
ステージにはジャワ・ガムランで用いられる青銅製の楽器が整然と並べられ、つい先ほどまでゲネプロが行われていた様子。
開演時間が迫って、徐々に観客席が埋まっていくが、主催される団体の関係か、外国人の方も多く見受けられる。

受付時に受け取ったパンフレットによると、本日のプログラムは6曲。うち3曲はジャワ・ガムランの伝統曲。あとの半分がガムランと、ディジュリドゥのコラボレーションとのこと。

昨年11月に行われた「ワンコイン市民コンサート」にご出演されたDharm Budayaの演奏に触れて、そこで開催されたワークショップで青銅製のガムラン楽器に触れてみて、そのアジアン・エスニックな魅力にハマって以来、月に一度の「日曜ガムラン」にも通わせて頂いているのですが、西洋音楽に馴染んだ耳にはインドネシア音楽独特の音高がまず違和感・・・なのだけど、それがアンサンブルになって演奏されると、不思議と心和んでキモチいい。それが何故なのかはまだ解明出来ていない。不一致の先にある恍惚の源泉が何であるかにまだ理解が及ばない。その不思議感が魅力なのか・・・??

今回のコンサートは、その不思議な魅力を秘めたインドネシアの伝統音楽に、日本の伝統音楽である雅楽から、オーストラリア先住民アボリジニの楽器ディジュリドゥ、二つの管楽器が加わってのコラボレーション。他では聴けない、この機を逃すともう出逢うことがないかもしれないエスニック・フュージョン。ジャワ・ガムランの魅力を害することもないはず。

17:00となって、レクチャア・コンサートはDharma Budaya代表の山崎晃男さんによる挨拶と解説から。面白いのは山崎さんが英語で話されるのを、MCを担当される外国人の方が日本語に通訳。まァ、どちらでも結構なのですが・・・。

まずは、ジャワ島中部、ガムラン・ジャワの伝統曲が2題。「Lancaran Kebogira Slendero Sanga」と「Landrang Wikujeng Pelog  Barang」が披露される。
何れも来客を歓迎する楽曲で、「Kebogira」は昨年11月の「ワンコイン市民コンサート」でも一番最初に演奏されていましたね(→記事参照)。
人数や編成に規定のないガムラン。そこで用いられる青銅製のガムラン楽器の音高さえ村々によって異なるという、なんとも大らかな音楽。今日は9名の編成。鍵盤打楽器サロンが大(ドゥムン)、中(パルン)、小(パキン)の3組、グンデルスルントゥムに銅鑼の仲間、ゴン・アグンクンプールクノンクトッボナン、何れも青銅製の打楽器に、木琴ガンバン、テンポを司るのはクンダン・アグンクティブンチブロンの太鼓類、彩りを加えるのは二弦の弦楽器ルバブ、琴型の弦楽器シトゥル。それらが限られた音域、限定された音高を組み合わせて作り出す音の波動は、シンプルなようで複雑。日頃コンピュータ・プログラムに触れているワタシには”0”と”1”とで表現する二進数を思わせて・・・、んン、五音階だから五進数か?! リズミックというか、アルゴリズミックなハーモニー。それが、西洋音楽的には曖昧な音高で演じられて、幾分ファジー。簡素な楽器は、叩き方、叩く位置によってピッチが変わってしまうが、その微妙な揺れが絶妙な波動となって心を打つのか、どうなんでしょう。アナログなデジタルか、デジタルなアナログか。限定された音域の中の限られたシーケンス。
まァ、とにかく、ユルさがキモチイイだから、難しいことを考えるのはやめましょう。
Dharma Budayaの演奏は、少々お行事が良過ぎるくらいにも思えるのだけれど、几帳面なワタシ(?)としては好きですよ。

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ガムラン・ジャワ
の伝統曲に続いて、雅楽器奏者の由利太啓路さんとオーストラリア先住民アボリジニの楽器ディジュリドゥ奏者の三上賢治さんがステージに招き入れられて、お二方の紹介と、お二人が使う楽器、ディジュリドゥの解説。由利さんは古式ゆかしい直垂に烏帽子姿。

由利さんが使うは奈良時代に雅楽とともに日本に伝わったリード式吹奏楽器。17本束ねられた細竹製管のうち15本にリードが内蔵されて、吹口から息を吹き込んで指穴を抑えてコントロールする。超ポータブルなパイプオルガンのようでもあるし、変形のハモニカみたいでもあるし、ギリシア神話に登場する牧神パンが奏でるシュリンクス・・・パンパイプ(パンフルート)をぎゅっとしたみたい?
吹いても吸っても音が出るそうで、指穴で塞ぐことで鳴る管を制御出来るので、単音だけでなく和音も出せるが、呼気から結露しやすく内部に水滴が付いてしまうので、演奏の合間に火鉢などで暖めやらないといけない。ちょっと厄介?!

ディジュリドゥ、初めて眼にしましたが、オーストラリアの先住民族アボリジニに1,000年以上に渡って伝わる伝統楽器。その長い管はユーカリ製で、管状に穿つのは人の手ではなく、シロアリの仕事。小さな昆虫が喰い開けた奇跡の軌跡?! 人間様の仕事は表面の塗装装飾だけ?
リードの付かないシンプル機構は、菅の一方に口を当てて唇を震わせて発音するので、もしオーケストラに加えるなら分類上金管楽器。太さや長さで音が変わるのでしょうか。シロアリさんに尋ねないと分からない??

その二つの管楽器が加わって、まずは音試し。
の雅びやかで煌びやかなソロから、ディジュリドゥの低く響く独奏に移って、それからディジュリドゥと、山崎さんが叩く太鼓クンダンで三重奏の即興演奏は、混じり合うような、交わるようですれ違い、”ビート”や”グルーヴ”とは別次元のヴァイブレーション。「バベルの罪」から生み出された多言語が京都の幼稚園に会したようで、まさに『響縁 -アジア・オセアニアの音の旅-』ですな。響縁というより驚縁? 多少無理矢理感はあるものの、面白くないわけないコラボレーション。

そして、他のメンバーが演奏する他のガムラン楽器が加わって、山崎さん作曲による「Tari Puspa」。Tari Puspa・・・、「花の踊り」でしょうか。タイトル通りに華やかなDharma Budayaオリジナルの新作を、今日のために、”fearuring & ディジュリドゥ”ヴァージョンとしたもの。神秘のお花は艶やかなようで慎ましやか、躍動するようで静謐。太平洋に浮かぶ巨大な蓮華?

コラボレーション2曲を終えて、ここで由利さんと三上さんはご退場。

インドネシア伝統の音楽であるガムランは今や世界に知られ、各地で演奏されるに至り、新曲も多く作られる。続く楽曲「Crossing」も2015年にロンドンで開催された「ガムラン作曲フォーラム」のために書かれた山崎さんの新作を、今日のために編成人数を増やし、改めたもの。
ガムランでは「スレンドロ」と「ペロッグ」、2つの音階があり、一方は1オクターブを不均等に7分し、もう一方は1オクターブをほぼほぼ均等に5分する。それぞれの中には3種類の”調”があって、楽曲ごとにそれらを使い分ける。今日最初に演奏された伝統曲は、”Slendero音階Sanga調”と”Pelog音階Barang調”。
Crossing」はタイトル通りに、スレンドロペロッグを”交差”させた実験的でミステリアスなガムラン・ニューウェイヴ。

プログラムの締めくくりは、ガムラン・ジャワの伝統曲に戻って、「Landrang Rujak Jeruk Slender Manyura」。
Rujakはジャワのフルーツ・サラダで、Jerukはライム。フルーツ・サラダのライム添え。ジャワでは椰子砂糖と唐辛子とピーナツ・ソースを和えて食する伝統食。インドネシア語の歌詞は全然理解出来ないけれど、出稼ぎに行く夫への想いを綴った内容だとか。女性たちの歌声が賑やかで躍動的。

以上で『響縁 -アジア・オセアニアの音の旅-』は終演。午前中に炎天下のスタンプラリー・ポタリングで疲れたカラダが癒されたような・・・。まァ、キモチよくて、半ば夢見心地ではあったのですが・・・。

次は来月、9月17日(日)に大阪市北区扇町のキッズプラザ大阪Dharma Budayaのコンサートとワークショップが開催されますが、「ワンコイン市民コンサート」とまるっとカブっちゃうので、ワタシは大阪大学豊中キャンパス大阪大学会館での「柴田由貴ヴァイオリンリサイタル『バッハとイザイ』」に伺う予定。分身の術でも会得すればイイんでしょうが・・・。

響縁 -アジア・オセアニアの音の旅-』の様子はYouTubeで配信中。ご興味のある方は是非!!

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