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「いちょう祭」でジャワ・ガムラン・デヴュー [音楽のこと]

今日も大阪大学豊中キャンパスへ通います。
ええ、いっその事、早期退職して、試験を受けて、リアル阪大生になってやろうか・・・と宣言したところ、奥様から「死ぬまで働け!!!!」と有難いお言葉を頂戴致したのでそういうわけにもいかなくて、まァ、しばらくは「ワンコイン市民コンサート」と「日曜ガムラン」だけに留めましょう。


今日は、その「日曜ガムラン」の特別編?!

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大阪大学豊中キャンパス
で、今日と明日、二日に渡って開催される「いちょう祭」。
大阪大学の創立を祝う他、新入生の歓迎、学生・教職員の親睦、地域住民との連携などなどを目的とする春の大学祭で、様々な企画、催しが用意されていて、ワタシが昨年12月から参加させて頂いているジャワ・ガムラン体験教室「日曜ガムラン」のスポンサー、大阪大学を拠点に関西で活躍するジャワ・ガムラン・グループ「Dharma Budaya(ダルマ・ブダヤ)」が企画・運営するコンサートとワークショップが今日の午後に予定されている。
コンサートにプログラムされている楽曲が5曲。そのうち2曲に「日曜ガムラン」参加者も加わって、花を添える・・・とはいかないまでも、盛り上げようという趣向。

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イベントは午後からとなっているが、準備やリハーサルがあるので集合は09:30。
朝一番に楽器の搬送、設営。いつもは芸術研究棟内の講義室でお稽古しているが、今日はその屋外。倉庫から敷物と楽器を運び出して、所定の位置にセットアップ。青銅製の楽器が重く、観客用の椅子まで並べるので、なかなかに重労働。これだけでひと仕事終えた感がある。麗らかな陽光が金属製の楽器に煌めいて、客寄せ用の看板やマスコット(?!)のこいのぼりまで設えて、なかなかに派手派手しい。

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設営が早めに終わったので、時間が惜しいとDharma Budayaメンバーだけで演奏する楽曲のリハーサル。その間ワタシは受け付け係。
その頃には2つ設えられたステージでも出し物が始まったらしく、キャピキャピと華やいだ声が聞こえてきて、学園祭らしいムードも高まってくる。
11:00からワタシたち「日曜ガムラン」組も加わってのゲネプロ・・・ではあるが、ドレスリハーサルでは無く、衣装・・・バティック・シャツに着替える前の直前リハーサル。

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12:00にランチ休憩。
大学祭とあって、キャンパス内のメインロードには模擬店が軒を連ね、その多くは飲食、軽食類の販売となっている。日曜日で構内食堂が全て休業しているので、昼食は居並ぶ模擬店から選ばないといけないのだが・・・、そのほとんどが「ヤキソバ」か「カラアゲ」ってなんなん?! アブラ物は控えたいのだが・・・。
おまけに昼時、どのブースも行列を作っている。人混みに分け入って選ぶのも面倒で、あまり時間もない。手近いところで「オムソバ」の列に加わる。
まァ、学生さんが作る安価な模擬店メニューということもあり、多くの需要に応えるためか、麺とモヤシだけのその「オムソバ」はがかなりレアで、水っぽくて、ちょっと危なっかしい代物。とりあえず腹は満たされる・・・という感じ。

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それから、衣装に着替えて、チラシ配り。
ワタシがお借りしたのは金色地にガルダ(?)があしらわれた、かなりエラそうなもの。その高貴さがワタシに相応しい??
チラシの効果か、事前の告知で知られていたのか、用意した椅子が埋まるくらいには聴衆も集まり、さて、いよいよジャワ・ガムランのプロダクション。

13:00~13:45のコンサートに用意された楽曲は5曲。
1. ロニン・タワン ペロッグ音階 ヌム調
        (Gongsarang ~ Ldr. Roning Tawang ~ Gangsarang laras pelog pathet nem)
2. クタワン シノム・パリジョト スレンドロ音階 ソンゴ調
        (Ketawang Sinom Parijatha laras slendro pathet sanga)
3. ランチャラン マニャル・セウ ペロッグ音階 バラン調
        (Lancaran Manyar Sewu laras pelog pathet barang)
4. ラドラン ティルト・クンチョノ ペロッグ音階 ヌム調
        (Ladrang Tirta Kencana laras pelog pathet nem)
5. ラドラン ルジャッ・ジュルック スレンドロ音階 マニュロ調
        (Ladrang Rujak Jeruk laras slendro pathet manyura)
相変わらず、曲目だけ見るとハリー・ポッターの呪文かと思うほど、何だかよく分からないが、王宮儀礼で踊られた舞踊のための伴奏曲やジャワの古典詩に基づくもの、歓迎セレモニーで演奏される楽曲など、華やかで美しい、ジャワ・ガムラン・メドレー。

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ゴン・アグンとクンプール

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サロン・ドゥムンとサロン・バルン、サロン・パキン

ワタシが加わるのは、2曲目と3曲目。他のグループ、アンサンブルはよく存じ上げないが、Dharma Budayaでは、楽曲ごとに担当楽器が変わって、ワタシも2曲で2つの楽器を演奏することになる。
シノム」では、ゴン・アグン(Gong Ageng)とクンプール(Kempur)を担当。いかにも眼を惹く、直径約100㎝のコブ付きゴング(銅鑼)、ジャワ・ガムランのカナメとなるゴン・アグンは神様が宿る神聖な楽器、直前に活けられたお花が供えられる。本来はお線香も手向けるとのことであるが、場所柄消防法やらなにやら扱えない。
木製フレームに6つのコブ付きゴングがぶら下げられたクンプール
差し向かいに置かれたゴン・アグンクンプールは、木製の柄に布を巻いたタボと呼ばれるバチ、大小2本で叩く。お稽古の時は随分と窮屈な思いをしたが、今日は間隔が広めで、ワタシのリーチを持て余すこともない。
3曲目の「マニャル・セウ」で演奏するのは、定旋律を演奏するサロン(Saron)。木製の共鳴箱の上に青銅製の鍵盤が置かれただけのシンプルな鍵盤打楽器で、大・中・小の3セット、それぞれ1オクターブづつの音域を持つ。「マニャル・セウ」で使うのは一番大きいサロン・ドゥムン(Saron demung)。

1曲目の「ロニン・タワン」からコンサートが始まる。受け持ち楽器が曲ごとに変わるので、演奏に加わらないワタシたち「日曜ガムラン」組はその妨げにならないように空いたスペースに控える。
ジャワ・ガムランはシンプルな楽器で構成されるアンサンブルで、使われる音高も限定的・・・なのだけど、ペロッグ音階とスレンドロ音階、2つのスケールを使い分けて、それがヌム調、ソンゴ調、バラン調などの音律と組み合わされて、楽曲ごとのヴァリエーションを展開することになる。誰でも叩けば音が出る金属製打楽器の演奏なのだけど、意外に奥が深い。そこが面白いところ。さらに、シンデンと呼ばれる女性独唱やゲロンと呼ばれる斉唱が加わったり、艶やかな踊りの伴奏となったり、伝統的な影絵芝居ワヤン・クリ(Wayang Kulit)とコラボレーションしたり、間口も広いが、奥行きも深い。
一つひとつの楽器、一つひとつの鍵盤が厳密にチューニングされているわけでもなく、西洋音楽とピッチも異なるから、単独で聴くと、西洋音楽に馴染んだ耳にはちょっと気持ち悪いのだけれど、それが複数台重なると絵も言えないハーモニーになるから不思議。
今日は演奏者として参加しているはずなのに、演奏していないとそのジャワ・ガムラン音楽の音宇宙の中心・・・一番の特等席で聴いているようで、ついついそのまったりしたリズムにハマってしまって、緊張感も何もあったものじゃないくらいにリラックス。
と言っている間に、「ロニン・タワン」が終わってしまって、いよいよ出番!!
2曲目の「シノム」に備えて、持ち場であるゴン・アゴンクンプールの間に移動。
ゴンクンプールなどのゴング(銅鑼)類は、ガムランの節目を告げる楽器。それだけに外せない。タボを持つ手にチカラが入る。
ガムランの場合、コンダクターがいるわけでもなく、誰かがカウントをとって演奏が始まるわけでもない。「シノム」の場合、ルバブ(Rebab)と呼ばれる二胡、胡弓に似た二弦の擦弦楽器の短いソロから始まって、クンダン・アグン(Kendhang ageng)やクンダン・クティブン(Kendhang Ketipung)などの太鼓類、クノン(Kenong)が加わって、序奏部・・・BUKAが奏でられ、それに継いで、定旋律を受け持つサロン(Saron)やグンデル(Gender)、ボナン( Bonang)が重なる。ゴング類は音数、手数こそ少ないが、流れの節目を決める。この楽曲の場合、ゆったりした中でテンポがかなり揺れて、その速度を決めるのは太鼓類、クンダンの役目。
困ったことに、その太鼓の音がワタシの耳には響かない。これまでのお稽古ではほとんど聴き取れなかった。しっかりとしたアタックがないと聴き取りづらい。聴き慣れたピアノの音でさえ、C6から上がよほどに強く打鍵するか、アタックがはっきりしていないと聴き取れない。調子が悪い時はA5辺りでさえヤバイかも。が、今日は屋外であるにも関わらず、非常によく聴こえる。
人前で演奏する緊張感よりジャワ・ガムランのまったりしたリズムによるリラックス効果、不要なテンションは感じない。上手く演奏出来たかどうかは分からないけれど、何だかすごく心地いい。
と言ってるうちに、「シノム」が終わって、次の「マニャル・セウ」に備えてサロンに移動。
マニャル・セウ」は「シノム」に比べてシンプルではあるのだけれど、サロンは右手で打鍵しつつ、左手でミュートしないといけないから、テンポが上がるとまだヘロヘロになってしまう。まだ両手を上手くコントロール出来ない。
それも何とか終えて、4曲目と5曲目は完全に聴衆モード。

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演奏が終わって、引き続き、ワークショップ。ジャワ・ガムランの楽器や楽曲を知ってもらおうという体験教室。こちらも、お子さんを含めて、多くの方がご参会。珍しい青銅製民族楽器の構造を知り、それぞれの音色に耳を傾け、それらで演奏される民族音楽の構成などのレクチュアに傾聴。コンサートでも演奏された「マニャル・セウ」を課題曲に、皆さん、なかなかにご熱心。

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ワークショップ後にも、15時過ぎまでDharma Budayaメンバーだけで練習。それから、楽器の片付け、撤収作業となるのだけれど・・・。ここからがメインイベント?! 撤収と並行して、別働隊を組織しての"打ち上げ"準備。
下拵えが必要な食材は事前に分担、準備してあるが、冷えたビールやソフトドリンク、氷やおつまみ等々は直前調達で、別働隊がクルマで買い出し。
ワタシも買い出し部隊の荷物持ちを仰せつかって、その任を終えて戻ってくると、野外コンサートの設えは全部片付いて、少し移動した場所にブルーシートが敷かれ、打ち上げBBQ会場が設営されて、宴の準備は整いつつある。
ホットプレートが2台、幾種類かの肉と事前に下拵えされた野菜、予め用意された酒類に、買ってきたばかりの冷たいビールと氷とおつまみと。なんか、コンサートの時より気合いが入っているような・・・。
途中「いちょう祭」実行委員に注意を受けたり、挙句にブレーカーが飛んでホットプレートが使えなくなったりと、アクシデントを挟みつつ、その酒宴は長く続きそう。宴もたけなわではあるが、ワタシは日が沈んだのをきっかけに退去。日没とともに、長かったジャワ・ガムラン・デヴューの一日の終わりとした。

貴重で面白い体験をさせて頂いた一日。緊張こそ薄かったけれど、その分達成感も希薄。フォローがあってようやく演奏出来るというレベルだから致し方ないところ。次の機会があれば、充実感を得られるほどの演奏を・・・出来る・・・かなァ。

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