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黒猫師弟のquatre mains♪ ~ duo de chattes noir [音楽のこと]

今日は、会員制サロンClassicaで催される「デュオ黒猫派 連弾コンサート」を観賞すべく、芦屋市までお出掛けです。

 

デュオ黒猫派.jpg


デュオ黒猫派
・・・。聞き慣れない名ではあるが、その実体は青柳いづみこ先生が瀬崎紀子さんをパートナーとして連弾・・・piano à quatre mainsを演奏するコンサート・ユニット。
(ピアソラは演奏されるが)タンゴを歌うわけでもなければ、宅配便業者でもない。

いづみこ先生といえば、ピアニストにして文筆家。発表されたCDは10枚を超えて、著作は20冊を超える。音楽博士で大阪音楽大学教授、神戸女学院大学講師。日本ショパン協会理事も務めておられるお方で、ドビュッシー研究家としても知られる。そして、何より、我らが「ワンコイン市民コンサート」には欠かせない演奏家。記念すべき「シリーズ第1回」を始め、4度も大阪大学会館のステージにご登壇される、記念公演には欠かすことの出来ない「ワンコイン」のラスボス的存在? 来年5月14日(日)にも『ワンコイン市民コンサート5周年特別コンサート:「青柳いづみこワールド(仮称)」』が予定されている。

そのパートナーが紀子さん。同志社女子大学学芸学部音楽学科ピアノ専攻卒業、同大学音楽学会特別専修課程修了。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科高等演奏ディプロム、室内楽科演奏家ディプロム取得。ヴェルサイユ地方音楽院伴奏科卒業。大阪音楽大学大学院音楽研究科修了。大阪音楽大学ではいづみこ先生のご指導を仰いだ師弟関係。ご卒業後は"お友達"になったということで、このコンサートでは肩を並べるキャトルマン。彼女も来年3月12日(日)に「ワンコイン市民コンサート」に初登場、『瀬崎紀子ピアノリサイタル:天才フランシス・プーランクの魅力』というプログラムが予定されている。

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コーヒー.jpg


会場となるのはJR芦屋駅にほど近いビルにある「音楽を心から愛する人々」の会員制サロンClassica。ホールではなく、サロン。
開演は14:00なのだが、開場は13:00で、その間にドリンクのサービスがあるという。初めての場所なので少し早めに訪ねてみる。
受付を済ませ、開場となったサロンに足を踏み入れる。正面奥が低いステージで、そこにはグランド・ピアノが1台と大型のスピーカーが左右に2台。コンサート・ホールのような固定席が並ぶのではなく、テーブルと椅子が何組か置かれ、一見すると、ピアノ・ラウンジのような設え。右側の壁には窓が並び、左は一面のブックシェルフで書籍やレコードが収められている。振り返ってみると、ドア横のカウンター越しに簡単なキッチンがあって、見上げると左右と後方、"コ"の字型にテラス席が設けられている。
サロンの中央には大きな長テーブルが置かれているのだが、ワタシはピアニストの手元が見える下手側最前列の四人掛けのテーブルにつく。
早速ドリンクのオーダーを尋ねられる。コーヒーやゆずスカッシュ、ゆずホット、ビールやワイン、シャンパンまで用意されている。アルコールというわけにもいかず、サロンの雰囲気から紅茶が欲しかったのだが、それはない。コーヒーをチョイス。
今回のサロン・コンサートは60名限定。テラスを含めてもその分しか席はない。ゆったりはしている。
次々に人が流れ込んで来て、その中に見知ったお顔もあって、ワンコイン市民コンサート実行委員会代表の萩原先生がお越しになられる。意外なようだが、演奏者お二方が揃ってワンコイン市民コンサート・ファミリー(?!)で、一方はラスボス的存在(?!)。実行委員会代表がいらっしゃっても、ちっとも不思議じゃあない。萩原先生はワタシと同じテーブルにつかれて、開演を待つ間、退屈することなく、貴重なお話しをお伺いすることが出来た。

開演時間となって、デュオ黒猫派・・・青柳いづみこさんと瀬崎紀子さんがSteinway & Sons(D-274?)の前にスタンバイ。

本日のプログラムは・・・、
フランク・シューベルト軍隊行進曲
小原孝/「ねこふんじゃった SPECIAL」より
モーリス・ラヴェルマ・メール・ロア(語りつき)
〜 休憩 〜
クロード・ドビュッシー小組曲(小舟にて行列メヌエットバレエ)
ジョージ・ガーシュウィン3つの前奏曲、「アイ・ガット・リズム変奏曲
アストル・ピアソラリベルタンゴ

紀子さんがプリマ、いづみこさんがセコンドで、前半はピアノ連弾の定番曲(?)。曲間にいづみこさんによる楽曲解説が入る構成。

開演前は、それほど広くはないサロンにSteinway & Sons(D-274?)ではオーヴァースペック、それを4手での演奏とあっては、響き過ぎないかと心配してしまったのだけど、それは全くの杞憂に終わる。テラスを配して天井高が高いからか、全体の設計の妙か、音の廻り、抜けがいい。もちろん、お二方の技量に因るところも大きいが、その声音は実に気高くて、エレガンス。女性らしく、「マーチ」さえ嫋やかで、「ねこ」のヴァリエーションはあまりに愛らしい。

そうそう、ねこ・・・黒猫派。それはイタリアの童謡「Volevo un gatto nero(黒猫のタンゴ)」とも関わりなく、宅急便業者を指定しているわけでもなく・・・、

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1882年、パリのモンマルトルにオープンしたキャバレー「Le Chat Noir(黒猫)」に因む。
エドガー・アラン・ポーの短編ゴシック・ホラーからパクら窃取されたその店名は、スタンレンが描いたポスターととも今も知られる。フランス初の前衛的歓楽店はすぐさま評判を呼び、新しいもの好きなジャーナリストやアーティスト、詩人や作家が集い、文学的な趣きを醸すようになったが、のちに治安の悪化からラヴェル通りに移転。アヴァンギャルドな文壇キャバレーであった頃は、ロートレックがその様子を描き、ドビュッシーが通い、サティがピアノを弾いていたのだとか。
ドビュッシー研究家でもあり、彼に関する著作も多いいづみこさんは、そのキャバレーについても書かれておられ、それをテーマにしたコンサートもプロデュースされておられる(→記事参照)。

・・・、で黒猫派紀子さんもパリ留学時代にはモンマルトルを登り、市街を散策し、19世紀末のそのキャバレーに思いを馳せていた・・・と想像する。

息のあった師弟コンビの演奏は、シンクロ率が高く、1人4手かと思えるほどではあったのだけど、トークでは連弾の楽しさとともにその難しさも、実演付きで語られた。あまりにゼッコウチョー、心地よ過ぎたのか、プリモとセコンドが交替となった「マ・メール・ロア(Ma Mère l'Oye)」では語りを忘れるほど演奏に没頭。格調高い「マザーグース」であった。

休憩の間にお召し替え。後半はドビュッシーの「小組曲(Petite suite)」から。ドビュッシーらしさが希薄な分、理解はし易く、雅やか。 「マ・メール・ロア」と2曲続いていたら眠ってしまったかもしれないと思えるほど、Steinway & Sonsが優しげに歌い掛ける。

眠気を払うかのようなガーシュウィンは、jazzyでbluesyでノリノリでキレッキレ!! セコンドに着いた紀子さんが打ち出すリズムとベースラインに支えられて、プリモいづみこさんが高音域を歌わせる。少々前のめりな感じもなくはないが、それはそれで、いいドライヴ感。ドビュッシーまでのエレガンスさとは好対照で、これはこれで、Coooolでいい感じ。キャトルマンで打鍵されるSteinway & Sonsが響き過ぎずに端正に歌うのは、50年ほど前に作られたというそのピアノも折り目正しくチューニングされていて、お二方の指先の動きだけではなく、長いドレスの裾に隠された紀子さんの爪先、ペダリングの冴えによるものか、リリース後の余韻まで実によくコントロールされている。

続く「リベルタンゴ(Libertango)」も気持ちのいいほど、鋭利なまでのグルーヴ感。こんなピアソラは聴いたことがない。ピアノが歌う・・・どころか、躍っているよう。ビックリするくらいカッコイイ!!

アンコールは、「ワンコイン市民コンサート四周年記念コンサート喪われた風景」で、いづみこさんが高橋悠治さんとの連弾でも披露された、モーリス・ラヴェル亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte)」と、エリック・サティパラード(Parade)」より『郵便船のラグタイム(Rag-time du paquebot)』。
たっぷり堪能、しっかり楽しませて頂きました。芦屋まで遠征した甲斐がありました。来年は"クロード・ドビュッシー没後100年"でもあるし、5月14日(日)の「五周年記念公演」も期待していい?! あッ、その前に、3月12日(日)の「プーランク」ですね。


タグ:CLASSICA
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