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秋を歌う [音楽のこと]

え〜、昔っから『暑さ寒さも彼岸まで』・・・なんてェことを申しますが、そんなこたァ、いまや「死語」になってしまいましたな。十月も末だってェのに、気温だけ観れば「夏日」、「真夏日」だってンだから恐ろしい。もしかしたら、この星の土性っ骨が弱っちまって、地軸とやらが傾いてきているのかも知れませんな。あと10年もするってェと、サンタさんが半袖シャツでやってくる・・・なんてェことになっちまう。
「季節」の移ろい、「四季」の変化が、今のご時世に合わせちまったのか、やけに急激で、「春夏秋冬」、4つの「季節」が感じられなくて、半ば亜熱帯化したのか、「雨季・乾季」ならぬ「暑季・寒季」と呼びたいような二季制になっちまったようで。
あっしゃ、こう見えて(どう見えて?)、秋の産まれで、この僅かにもの寂しげな季節が恋しいわけで・・・。

 

春らしさ、秋らしさを感じられる期間があまりに短くて、夏から一足飛びに冬、冬から一気に夏。体感的にはそう思えてしまう。一番時の揺蕩いを感じられる季節が急速で短いと、四季感が薄れて、情緒も風情もあったもんじゃない。
「芸術の秋」、「スポーツの秋」、「行楽の秋」、「食欲の秋」、「読書の秋」・・・、なにをするにもいい時候であるはずが、衣替えをどうしようかとバタバタ、「実りの秋」どころか、急激な変化に身体が対応せず「夏バテ」、「秋バテ」してしまう。「天高く馬肥ゆ」どころか、体重が激減、痩せ衰える一方で・・・。

せめては、音楽でゆったりした「秋」を感じようというのが今日の趣向。

以前『コバルトの季節の中で(→記事参照)』、『「秋の歌」あるいはマスオさんのヴァイオリン(→記事参照)』、『秋によせて 〜 月光伝説(→記事参照)』でも、秋に纏わる楽曲を考察してみたが、今回も懲りずに秋の楽曲を探る。

ヴィヴァルディの「四季」こと「和声と創意への試み(Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventione") 作品8」から『協奏曲 第3番 ヘ長調 RV.293「秋(L'Autunno)」』やチャイコフスキーの四季(Les Saisons) 作品37b」より『10月 秋の歌 ニ短調(Octobre - Chant d'automne)』でもいいけれど、どちらも一年単位の組曲からのワンピース。この秋はジャズ・ヴォーカルの季節・・・と括ってしまう。

筆頭はやはり「枯れ葉」。1945年にJoseph Kosma(ジョセフ・コズマ)が作曲し、後にJacques Prévert(ジャック・プレヴェール)が詩を付けたシャンソンが「Les Feuilles mortes」で、大西洋を超えてJohnny Mercer(ジョニー・マーサー)の英訳詩を得てジャズのスタンダードとなったのが「Autumn Leaves」。ヴォーカルなり、インストゥルメンタル版なり、カバーは星の数。それこそこの短い季節じゃあ聴き切れない、間に合わないくらい歌唱、演奏されている(コチラもご参照されたい)。

秋の始まりは「early autumn(アーリー・オータム/初秋)」。ジャズ・ピアニスト、Ralph Burns(ラルフ・バーンズ)の作曲で、The Herd(ザ・ハード)ことWoody Herman Modern Orchestra(ウディ・ハーマン・モダン・オーケストラ)の第2期、通称The Second Herd(セカンド・ハード)、別名Four Brothers(フォー・ブラザーズ)がテナー・サキソフォニスト、Stan Getz(スタン・ゲッツ)を世に送り出した組曲「summer sequence(サマー・シーケンス)」の最終章。
組曲仕立ての最終章で、ヒットを受けて、Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)が歌詞をつけたが、その内容も夏の終わりの別れを歌う。春に出逢った人は夏の終わりとともに去っていく。だから、印象としては晩夏なのだけど、アーリー・オータムと歌っているんだし、組曲仕立ての最終章ながら単独で取り上げられるようにもなったので秋の歌。

When an early autumn walks the land
And chills the breeze and touches with her hand
The summer trees perhaps you'll understand
What memories I own
There's a dance pavilion in the rain
All shuttered down, a winding country lane
A russet brown, of frosted window pane
Shows me a town grown lonely

That spring of ours that started
So April hearted she made for just a boy and girl
I never dreamed did you any fault could come in view
So early
May I ask you darling if you care please love me now
I'll meet you anywhere I miss you so
Let's never have to share another early autumn

それに負けず劣らず美しい楽曲は「autumn nocturne(オータム・ノクターン)」。何しろ、「秋の夜想曲」。
おフランス風に「ノクチュルヌ(nocturne)」といえば、ショパンが広めて、フォーレやドビュッシー、サティ、プーランクがそれを慕ったフランスの伝統芸(?)・・・だと言い切ってしまう(ショパンはワルシャワ生まれだがパリで活躍)。が、これはKimm Gannon(キム・ギャノン)作詞/Josef Myrow(ジョゼフ・マイロー)作曲の、これも九月の失恋ソング。夏に焦がれた恋は秋の訪れとともに儚くなってしまう。

When autumn sings her lullaby
And green leaves turn to gold
Then I remember last September
You and I said goodbye
Whispering that we would be returning
When autumn comes again
Now autumn roams the hills once more
But you forgot your vow
Now here am I with, alone with only memories
Only lonely memories, autumn memories of you

・・・。秋が歌うあのひとのララバイ、聴いてみたいものですな。

ノクターンに続いて、セレナーデ。「Autumn Serenade(オータム・セレナーデ)」はSammy Gallop(サミー・ギャロップ)/Peter DeRose(ピーター・デロウズ)の作品。
"セレナーデ"は独逸語、英独混合になってしまう。英語(米語)発音では"セレネイド"。「オータム・セレネイド」が正しい、まァ、どうでもいいけど。何れにせよ、「秋の小夜曲」。
秋の訪れとともに現れた新しい恋は10月には破局を迎えてしまう。釣瓶落としのように短く儚い恋。

Through the trees comes autumn with her serenade
Melodies the sweetest music ever played
Autumn kisses we knew are beautiful souvenirs
As I pause to recall the leaves seem to fall like tears

・・・と歌詞もなかなかにロマンティック。her serenade・・・あのひとの「小夜曲」とはどんなものなのか。

さて、行楽の秋、旅情を求めると・・・。

Autumn in New York(オータム・イン・ニューヨーク/ニューヨークの秋)」は、Vernon Duke(ヴァーノン・デューク)作詞・作曲による、ミュージカル「Thumbs Up!」からのナンバーで、のちにFrank Sinatra(フランク・シナトラ)が歌って大ヒット。

Autumn in New York
Why does it seem so inviting
Autumn in New York
It spells the thrill of first-nighting

Glittering crowds and shimmering clouds
In canyons of steel
They're making me feel - I'm home

It's autumn in New York
That brings the promise of new love
Autumn in New York
Is often mingled with pain

Dreamers with empty hands
They sigh for exotic lands
It's autumn in New York
It's good to live it again

This autumn in New York
Transforms the slums into Mayfair
Autumn in New York
You'll need no castles in Spain

Lovers that bless the dark
On benches in Central Park
It's autumn in New York
It's good to live it again


こんな風に歌われると、ニューヨークがどれほど魅力的なところなのかと思ってしまうが、一度そこでの生活を味わってしまうと、田舎暮らしが退屈で我慢出来ずに都会に戻りたくなってしまう。"It spells the thrill of first-nighting"という言い回しがいかにもミュージカル??

合衆国からイタリアへ。米伊合作の映画「Stazione Termini(終着駅)のサウンドトラックスから「Autumn in Rome(オータム・イン・ローマ/ローマの秋)」。アカデミー賞女優Jennifer Jones(ジェニファー・ジョーンズ)主演の、大戦後にリニューアルされたローマ駅を舞台にした不倫劇。Peggy Lee(ペギー・リー)がその主題歌を担った。いかにもメロドラマ的で情感たっぷりなのはいいけれど、不倫というだけで耳が痛い?!

少しマイナーなところ・・・、と言いながら、これも多くのアーティストがカバーしている「Tis Autumn(ティズ・オータム)」。「秋」と訳せばいいのか?
なんとなくメルヘンティックで可愛らしい楽曲。

Old Father time checked, so there'd be no doubt,
Called down the North wind to come on out,
Then cupped his hands so proudly to shout,
"La-di-dah oh la-di-dah,'tis autumn.

The trees say they're tired, they've born too much fruit,
Charmed on the wayside, there's no dispute.
Now shedding leaves, they don't give a hoot,
La-di-dah oh la-di-dah, 'tis autumn.

Then the birds got together to chirp about the weather
Hmm Hmm Hmm,
after making their decision, in birdie-like precision,
Turned about, and made a beeline for the south.

My holding you close really is no crime,
Ask the birds and the trees and old father time,
It's just to help the mercury climb,
La-di-dah oh la-di-dah, 'tis autumn.
Tag: La-di-dah oh la-di-dah, La-di-dah oh
la-di-dah,La-di-dah oh la-di-dah, 'tis autumn, autumn. 

さて、秋は別れ・・・的なイメージの源泉は・・・?

学生さんたちの卒業は6月で、秋は進級、入学の新学期。日本とシステム自体が違うし、卒業式にそれほど哀しい別れのイメージはないし、秋はどちらかというと出逢いの季節ということになってしまう。

欧米でもひと昔前まで主な産業といえば、農業や牧畜で、春から農繁期となって、地方の若い衆が大農場や大牧場へと出稼ぎ、参集し、それが秋、作物の収穫を終えて、家畜の放牧を終えて、感謝祭の後、若人は故郷へと離散する・・・っと。しかし、感謝祭(Thanksgiving Day)で七面鳥を美味しく頂くのは11月。秋も深まり、どちらかというと初冬。

おフランスのやんごとなき方々から始まったヴァカンス。太陽の光と暖かい風を求めての、夏の長期休暇とそこで出逢うアヴァンチュール。その甘く魅惑的な冒険旅行からロマンスが派生し、多くの物語りを生み出すことになる。時代は進んで、戦後復興期から高度経済成長の時流に乗って、ヴァカンスはヴァケーションへと広がり、♪V・A・C・A・T・I・O・N♪と熱病的に浮かれて、避暑地での巡り会い、そして別れ。それは、小説や映画、演劇、そして流行歌のモティーフとして打ってつけ・・・?!

autumn leaves.jpg


さて、上記の"秋の歌"がまるっと一枚のアルバムに纏められているのがNicki Parrott(ニッキ・パロット)の「autumn leaves(枯葉)」。オーストラリア出身のシンガー・ベーシスト、ニッキ・パロットの柔らかい歌声にメロウなサックスが絡んで、しみじみと秋を歌う。この季節になると聴きたくなる一枚。

The Last Time I Saw Paris.jpg


"思い出のパリ"をコンセプトに仕上げたアルバム「The Last Time I Saw Paris」もオススメ。
The Last Time I Saw Paris」というと、Francis Scott Key Fitzgerald(フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド)原作、Dame Elizabeth Rosemond Taylor(エリザベス・テーラー)&Van Johnson(ヴァン・ジョンソン)主演、Richard Brooks(リチャード・ブルックス)監督の映画「雨の朝巴里に死す」を想起してしまうが、ニッキの「巴里」もいい感じ。彼女が弾くウッド・ベースのソロから始まる『I Will Wait For You』がいい。

聴くのもいいけれど、心地いい季節でもあるから、口ずさみながら街をそぞろ歩きましょうか。


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