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チェロとピアノのためのシネマ [音楽のこと]

当ブログを長くご覧下さっている方はお気づきだと思いますが、ワタシは音楽と言っても、管弦楽よりピアノ曲、壮大なシンフォニーよりごく小編成の室内楽を偏愛しているわけで、だからと言って、なにもピアノ独奏に拘っているわけでもなく、例えばヴァイオリン(とピアノのための)ソナタやピアノ三重奏なども興味の対象。

 

確かに、ピアノをメインに据えて、それなりの員数を揃えた管弦楽団と対峙し、協奏、競奏するコンチェルトもいい。時には、重厚なシンフォニーを聴くこともあるにはある。
が、編成が大きくなると、ひとつひとつの音を拾おうとして、すンごく疲れてしまう。両耳ともに壊れてしまってから、その音圧に耐えられないし、長大な楽曲では疲労感さえ覚えてしまう。
で、独奏曲や小編成のアンサンブルによる小品か、キーボードと独奏楽器のためのソナタを好尚してしまいます。

ええ、ピアノ・ソロでも十分なのは充分。「楽器の王様」はオーケストラの楽器全部より広い音域を持ち、「コンサートの女王」とも呼ばれるくらい、そのための楽曲は星の数ほど。聴き飽きることはないのですが、そこはそれ、たまには他の彩りも欲しいと思うわけで・・・。白いご飯より、まぜご飯やふりかけ、卵かけ御飯の方が食が進むやろ?! カレーライスや牛丼になったら腹一杯食べたくなるやろ?! って、例えがヘンやな。福神漬けにラッキョ、紅生姜が決め手・・・かな。

ピアノとのデュオというと、まずヴァイオリンでしょうか。「オーケストラの花形」は、その美しい音色とその表現力で、ピアノのお相手として相応しい。まさに、花形満と星飛雄馬(from 巨人の星)・・・みたいなもの??

でも、ね。

同じ弦楽器、同じヴァイオリン族にあって、より好ましいのはチェロ。ふくよかで深みと奥行き感のある音色は、包み込んでくれるような優しさも帯びて心地いい。
耳疾以来高い音が聴き取りづらくなったので、低音楽器に魅力を感じるのかもしれません。

クロード・ドビュシーが最後に遺した「チェロとピアノのためのソナタ」はシビれるほどに感じ入る(ヴァイオリンとピアノのためのソナタの方がより末つ方ではあるが)。その大師匠にあたるフレデリック・ショパンのそれも美しい。

で、ね。ここから先は映画のお話し。

音楽は聴くばかりではありません。
映画のための音楽にも素晴らしいものは数多あって、音楽映画も魅力的。著名な作曲家やプレイヤーを主人公とした伝記映画も、耳に馴染んだ楽曲が豊富に使われて、充実感があるのですが、全くのフィクションでも面白い作品はよりどりみどり。
映画に登場する楽器は、やはりピアノが筆頭。作曲家を描いた作品の中では、その作曲家(に扮した役者さん)がピアノを演奏するし、ピアニストを描いた作品も多い。アニメ作品もそこそこあります。

敬愛する大作曲家が主人公ですが、『未完成交響曲(Leise flehen meine Lieder)』、アマデウス(Amadeus)』、『不滅の恋/ベートーヴェン(Immortal Beloved)』や『敬愛なるベートーヴェン(Copying Beethoven)』、『ラフマニノフ ある愛の調べ(Ветка сирени/Lilacs)』などはちょっと脚色が過ぎる気がする。
戦場のピアニスト(
The Pianist)』は眼を背けたくなるような凄惨なシーンもあるし、『海の上のピアニスト(La leggenda del pianista sull'oceano)』は設定は面白いけれどファンタジーに過ぎるし、『ピアノ・レッスン(The Piano)』は幻想的なのとマイケル・ナイマン(Michael Laurence Nyman)のサウンドトラック(ス)はいいにしても内容がちょっと難しい。

どうせファンタジックならと、『ピアノの森』だとか、『のだめカンタービレ』だとか、『四月は君の嘘』に走ってみたりもします(笑)。少女漫画好きとしては、くらもちふさこの『いつもポケットにショパン』がアニメ化されると嬉しい限り。実写化は・・・要らん、ね。

大好きなフランス映画からは『ピアニスト(La Pianiste/The Pianist)』に『譜めくりの女(La Tourneuse de pages/The Page Turner)』がノミネート、しかし、ともに少々陰湿。
そろそろ近しい年齢になってきたから(?)、『愛、アムール(
Amour)』は身につまされる。愛おしきは奥様・・・としておこう。
イタリア映画『クロイツェル・ソナタ 愛と官能の二重奏(Quale Amore? ~ The Kreutzer Sonata : What is love?)』は楽聖さまの楽曲に加えて、ヴァネッサ・インコントラーダ(Vanessa Incontrada)の裸体も拝めて、超お得?! 愛と官能のトライアングル・ラヴ。
同じくイタリアから、『課外授業(Lezioni Private)』ではキャロル・ベイカーが官能的なピアノ教師を演じる。これではピアノが上達するどころか・・・?!
観るなら、フランス映画かイタリア映画・・・やけど、奥様に叱られる?!
日本製のミステリー『さよならドビュッシー』はドビュッシー感が薄いッ!!

止まれ!! 調子にのるとキリがない。ピアノ、ピアニストはいいとしても、チェロが出てこない。タイトルに偽りありになってしまう。『のだめ』や『君嘘』、『クロイツェル』は相手役がヴァイオリニストだったりするが、チェロは・・・? あッ、『戦場のピアニスト』のヒロインがチェリストで、大バッハの「無伴奏 第1番 ト長調 BWV.1007」を演奏していましたね。

他に、チェロを題材にした映画は・・・????

まず、そのものズバリな『裸のチェロ』。原題は『Il merlo maschio』で、"雄クロツグミあるいは黒鶫の男"の意味なのに、その妄想的な内容から邦題が『裸の〜』となってしまった、イタリアン・コメディ映画。タイトル通りに、ラウラ・アントネッリ(Laura Antonelli)が脱いではります(喜)。

a nous deux.jpg

 

若くて、感受性が豊かであった頃のワタシが観た裸体のチェロの登場する映画がクロード・ルルーシュ(Claude Barruck Joseph Lelouch)監督のフランス/カナダ映画『夢追い(À nous deux)』。1979年の作品。
フィルム・ノワール的要素も孕みつつ、官能的でもあり、やはりフランスっぽいというか、ルルーシュっぽい作品で、登場するのもプロフェッショナルな演奏家ではなく、ピアノを弾くのは生まれついての泥棒稼業、チェロを演奏するのは高級娼婦にして美しい美人局(美しい美人って)。
ネタバレになるのでストーリーは割愛しますが、映画の冒頭、主人公たる、泥棒の親分(?)の息子、シモンちゃんのお誕生日、泥棒一味が集まってのバースデー・パーティ、そのシーンでピアノとアコーディオンの伴奏で歌う子役がまァ、可愛いこと。
♫ 自由のためなら監獄にでも入る ♫というフランスらしい比喩表現、それを頑是ない子供に歌わせてしまう演出。今なら放送、放映出来へん?!
その子供が長じて立派なドロボー(?!)になってからは監獄の余興で自らピアノの弾き語り。ジャック・ジュトロン(Jacques Dutronc)演じるシモンの演奏する姿がクールで渋い。それもそのはず、ジャックはピアノとギターをこなし、バンド活動も行ったマルチな歌手/俳優さん。映画の中でも吹き替えなしに演奏している。
泥棒さんですからやがて警察に追われることとなり、逮捕、収監、そして脱獄、逃れ逃れて田舎の農場。そこで出逢うのがカトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)扮するフランソワーズ。
彼女は幼い頃からチェロを嗜んでいたのだけれど、何故か、チェロが炎上、燃え上がる夢を見てしまう。そのためかチェリストの夢は墜えて、美しい女性に成長したのち、薬剤師に嫁ぎ、薬局勤め。その薬店に強盗が押し入り、金品とともに、彼女の操まで奪い取ってしまう。それが元で離縁となって、男性不信に陥った彼女は男を手玉にとる高級コールガールとなる。それだけでは飽き足らず、相方の写真家と組んで、政治家や高級官僚を強請る美人局まで働くこととなって逮捕、収監された監獄から奇跡の脱走。落ち延びた先で出逢ったのが同じく脱獄犯のシモン。
たまたま巡り合って、意思疎通さえままならない二人は手に手をとって逃亡を重ね、逃亡者のデュオ ~ le fugitif et la fugitiveはお尋ね者となってフランスを脱出し、氷点下40度、川さえ凍るカナダまで遠路の逃避行。その中で心を通わせていくことになるのだが・・・。
この映画のために楽曲を書き下ろし提供するのはフランシス・レイ(Francis Lai)ルルーシュ監督の相棒と言ってもいいような、フランス映画音楽の作曲家。ドロボーさんたちのテーマソングでさえも美しい(笑)。
音楽映画ではないのだけれど、ピアノやチェロは脇役の脇役、無くてもいいのかもしれないけれど、"チェロが炎上する夢"が何を象徴するのかが気になって、繰り返し観たくもなるし、チェロを聴くたびに炎上するシーンを想起してしまう。炎上の火種を求めて、チェロを聴く。ある種トラウマ?!

フランスの映画は、ねェ、フランス近代音楽と同じで、何度も観聴きして、吟味して、咀嚼して、鑑定、見聞、解析してこそ良さが解るのだよ。一筋縄にいかないところが魅力?! 観る度、聴く度に新しい発見もあるし。
ピアノ・レッスン(The Piano/La Leçon de piano)』も一度くらいではそのレッスン内容を理解出来ない、でしょ!? ニュージーランド、オーストラリアとの合作やけど。
ジェーン・カンピオン監督が、全編英語の映画で、何故『La Leçon de piano』というフランス語タイトルに拘ったか、それが果たせず、何故『Piano Lesson』ではなく、『The Piano』としたのか。"海中に沈むピアノの夢"が象徴するものとは・・・??
来月までの宿題とします(笑)。


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yosshu0715

今回は僕の大好きな映画のお話がたくさんあって面白かったです!!(笑)
実は僕の人生のベスト映画が「ゴッドファーザー」と並んで「アマデウス」なんですよ!!(笑)
もちろん「不滅の恋」も「敬愛なるベートーベン」も見てますよ!!(笑)
二つの映画は楽聖の描き方がまるで真逆でおもしろかったですよね!!(笑)
特に不滅の恋は第九の解釈が独特でああいう風に映像化されるとは思わず、映画館で号泣しましたよ!!(笑)

ラフマニノフは映画「シャイン」が印象深かったです!!(笑)
デビット・ヘルフゴッドがラフマニノフを練習しすぎて精神異常になるくだりはマジで怖かった・・・!!(笑)

「ピアニスト」と「愛アムール」はハネケ監督の毒が怖くてまだ見てないんですよ・・・!!(笑)
実は二つともいつか見るつもりで持ってるんですが!!(笑)

ちなみにポコさんはナイマンの「The Heart Asks Pleasure First」引けるらしいですよ!!(笑)
僕が学生の頃、一番好きなピアノ曲だと言ったので練習したらしいです!!(笑)
ただ、僕は一度も聞いたことありませんが!!(笑)

僕は今現在左手が不自由なんですが、よく考えたらピアノレッスンの最後のホリー・ハンターみたいですよね!!(笑)
ちょっと格好いいかも!!(笑)
これでピアノが弾けたらなあ・・・!!(笑)
by yosshu0715 (2016-03-11 19:26) 

JUN1026

ヨッシュさん、コメントありがとうございます。
映画ネタは時折りやりたいと思いながらも、記事にするためには観直さないといけないし、評論は得意ではないし、何よりネタバレしてはいけないだろうし、難しくて難しくて・・・。
私も「ゴド・ファーザ」はいいと思います。コレクションすべき作品でしょう。
しかし、作曲家さま方の伝記風映画はちょっと脚色が過ぎるような・・・。楽曲のイメージまで変わってしまいそうで・・・。
映画ネタ、次は『ピアニスト(La Pianiste/The Pianist)』か、『愛、アムール(Amour)』をと考えていたのですが、喜んで頂けたら幸いです。
by JUN1026 (2016-03-11 22:24) 

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