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ゴールドベルク夢幻 [音楽のこと]

今日は月に一度のお楽しみ、大阪大学豊中キャンパス大阪大学会館に於いて開催される「ワンコイン市民コンサートシリーズ」のその「第35回」。本日のプログラムは、『加藤幸子ピアノ・リサイタル』。

 

大阪・千里のご出身で現在米国ニューヨーク在住のピアニスト加藤幸子さんはカリフォルニア州立大学音楽部ピアノ科を主席で卒業後、ジュリアード音楽院大学院に奨学生として入学、修士号を得る。著名ピアニストであり名教師として知られるラッセル・シャーマン、ジェローム・ローエンタールらに師事。ジュリアード音楽院の100周年記念に歴代卒業生の中から"傑出した100人のうちの一人"に選出された逸材で、内外の批評家から「繊細で美しい、繊細なタッチで明確な解釈と印象的で清清しいフィンガーワークを持つ」と評されている。
今日は「ワンコイン市民コンサート」の場を借りての凱旋リサイタル。

演目は・・・、
ヨハネス・ブラームス「ピアノのための6つの小品」作品118
ヨハネス・ブラームス 「4つの小品」 作品119
ヨハン・ゼバスチャン・バッハ 「ゴールドベルク変奏曲」 BWV988

ブラームスは詩的にして官能的、J.S.バッハはマサマティカルな超難曲。どちらも美しく、聞き応えも十分。

IMG_7282.jpg


今日は昼からあいにくの雨。濡れながら待兼山を登る。
今日の公演もいつもどおり、14:30開場、15:00開演予定で、大阪大学会館に到着したのが開場の少し前。
受け付けを済ませて、いつも通り、バルコニーのセンター席を占める。ステージでは当館自慢のベーゼンドルファーが調律中。外は激しく雨が降っている。チューニングも、天候に合わせて、変わってくるのだろうか。

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チューナーが去って、壇上に残された1920年製のヴィンテージ・ピアノは演奏家の登場を待つ。
時間となってステージに登場した幸子さんはノースリーブのシンプルな黒いドレス。深く切れ上がったスリットがセクシー。

前半はブラームスの「小品集」。
ブラームス
クララ・シューマンに献呈した「小品集」は彼の最晩年に出版された、最後から2番目と最後の作品。リリカルで詩的で幽かにセンシャルなピアノ曲を、幸子さんは柔らかくしなやかなタッチで演奏される。"ヴェルヴェット・タッチ"と評されたその滑らかな指技は、まさに天鵞絨のような光沢と厚みを伴って、ひとつひとつの音が粒立つようで、それに応えてヴィンテージ・ベーゼンドルファーはたおやかに唄う。淡々と静かにプレイされているのだが、その指先から弾き出される音色は、歌うような、踊るような躍動感を含んで心地いい。

15分の休憩を挟んで後半は「ゴールドベルク」。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハによる『アリア』とその変奏曲からなる2段の手鍵盤のチェンバロのための練習曲。全4巻からなる「クラヴィーア練習曲集」の第4巻で、J.S.バッハ自身による表題は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」となっている。J.S.バッハが音楽を手ほどきしたヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクが不眠症に悩むカイザーリンク伯爵のためにこの曲を演奏したという逸話から「ゴルトベルク変奏曲(ゴールドベルク変奏曲)」の俗称で知られる。
高度なテクニックが要求されることもあって、ピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少なかったが、変奏曲としては長大で、しかも高度な対位法技術を用いて作られた難解なこの曲は、その難解さから挑もうとするプレイヤーからの注目を得て、幾つものトランスクリプションが編み出された。
J.S.バッハの妻、
アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳に記されていることから、彼女の作ではないかと言われる32小節からなる『アリア』が最初と最後に配され、その合間に『アリア』の32音の低音主題に基づく30の変奏が展開されて、全32曲から構成される。
練習曲というにはあまりに難曲である2段鍵盤のウラヴィチェンバロのための曲を現在のピアノで演奏することは至難。それを幸子さんは、ライヴで暗譜で、淡々と静かに弾きこなすが、どこか数学的でどこか暗号めいた旋律はビロードのように柔らかくシルクのように繊細な音となって難しさを感じさせない。これこそ技巧と呼ぶべきものか。
ワンコイン市民コンサート」は他ではあまり聴けない演目を拝聴することが出来るのだが、この「ゴールドベルク」も面白くて興味深い。繊細で優しいタッチの演奏を聴いていると、「小品集」はブラームスクララに宛てた最後のラブレターで、「ゴールドベルク」はJ.S.バッハが妻アンナと交わした最後の暗号めいた恋文なのではないかと思えてしまう。

鳴り止まない拍手に応えたアンコールは、ブラームスJ.S.バッハから一転、今日の天候に合わせたものか、アヴァンギャルドな武満徹雨の樹素描」。そのミステリアスなメロディーに引き込まれてしまいそう。
アンコールは更にもう1曲。ビル・エヴァンスが遺し、今ではジャズ・スタンダードとして広く知られる「ワルツ・フォー・デビイ」。こちらは非常に愛らしい。ごく短く切り上げられたけれど、彼女のインプロビゼーションを聴いてみたい気もする。
ブラームスの「小品集」にJ.S.バッハの「ゴールドベルク」、それだけでもお腹いっぱい。デザートのアンコールは別腹となる現代音楽とスタンダード・ジャズ。いずれの楽曲も艶やかに演奏されて、いや、十分に堪能させて頂きました。

加藤幸子さんがやはりヴィンテージ・ピアノで演奏された「ゴールドベルク変奏曲」はCD化されて発売中。買って損はないとオススメしておく。

年明け1月の「ワンコイン市民コンサート」は、デュオ・ユニット「duo526」のリサイタル。ヴァイオリニスト、ケリー・デゥォースとピアニスト贄川二葉の二重奏。1月11日(日)14:30開場 15:00開演の予定。


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コメント 2

yosshu0715

ラバーダックとワンコインコンサート・・ !!(笑)
一日2つのミッションとは何とも贅沢な一日ですね!!(笑)

ちなみに「加藤幸子 ピアニスト」で画像検索するとJoJoさんのマシンが出てきてビックリしましたよ!!(笑)
by yosshu0715 (2014-12-23 07:23) 

JUN1026

ヨッシュさん、コメントありがとうございます。
イベントも、重なるときは重なってしまい、週末しか動けないのでいつもバタバタしてしまいます(笑)。
本当に、「加藤幸子 ピアニスト」で私のバイク画像がヒットしますね。別の記事なのに何故でしょうか??
by JUN1026 (2014-12-23 23:14) 

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